メインイメージ トップページ

RICE処置 About RICE 

RICE処置について

 RICEとは以下に記してありますが、安静・冷却・圧迫・高挙の頭文字から名付けられたものです。

 骨折・脱臼・捻挫・筋肉や腱の挫傷・打撲など、スポーツ現場で起きる様々なケガの受傷直後の初期治療において、非常に効果を発揮するものです。スポーツ現場のみならず、日常生活のいろいろな場面で使うことがありますので、ぜひ皆様に覚えて利用していただきたいと思います。ケガは初期の治療が非常に重要です。ちょっとしたケガでもRICE処置をするのとしないのとでは、その後の患部の状態や治癒期間などに大きな差が出ることがあります。RICE処置を適切に行うことで治癒までの期間を短縮することもできます。

 「突き指」も正確には靭帯損傷=捻挫ですし、腰の痛みは温めるのが良いと決めつけていらっしゃる方が多いのですが、いわゆる「ぎっくり腰」も筋肉や腱の挫傷であったり、靭帯の損傷ですので、受傷直後はRICE処置をしましょう。



R - Rest 安静

 患部への血流量を減らし、細胞の活動を低下させて代謝レベルを下げて、酸素や栄養分の必要量を低減させることで、患部の腫れや、痛みが悪化するのを防ぎます。動かすと悪化するのは皆さんイメージができますよね。患部を安静に保つには、とにかく楽な姿勢を取りましょう。

I - Icing 冷却

 血管を収縮させて炎症や出血を抑え、痛みを軽減します。また、細胞の代謝レベルを下げ、周囲に二次的低酸素障害が広がるのを防ぎます。ケガによって、細胞が破壊されると、周りの元気な細胞までもが酸素や栄養の不足に陥り、死滅の危機にさらされてしまいます。アイシングは、細胞の死滅を防ぐのに大きな威力を発揮します。
 RICEの中でも、特に重要なものがこのアイシングです。また、痛みに対しては、冷却刺激が神経系に影響を及ぼし、命令の伝達量を減らしたり、遅らせたりすることで、患部は感覚が鈍くなるという、一種の麻酔効果があります。

C - Compression 圧迫

 周囲の組織や血管を圧迫し、細胞液や血液が滲出して内出血や脹れが起るのを防ぎます。腫れはケガしてから5〜6時間後がピークで、その後も圧迫が必要です。腫れに関しては、圧迫が最大の効果をもたらします。圧迫具合は、強すぎず、弱すぎずがポイントですが、きつく巻きすぎると必要以上に血流を制限してしまい、細胞が壊死する恐れがありますので注意が必要です。

E - Elevation 高挙

 患部を心臓より高く上げることで、重力を利用して内出血を抑えます。これも、圧迫と同じように物理的効果によって出血量を減らすものです。心臓よりも患部が高い位置にあれば血液は流れにくくなりますよね。そうすることで、壊れてしまった細胞や毛細血管に対する圧力を軽減して内出血を防ぎます。特に患部が脈を打つようにズキンズキンとした痛みがある時は、高挙は非常に有効です。


 RICE処置後は、15〜20分間そのまま安静に保ちます。30分以上は凍傷の恐れが出てきてしまいますので、冷やし過ぎには注意しましょう。その後は、48〜72時間(2〜3日)は、断続的に冷やし続ける必要があります。最初のアイシングが終わったら、1日数回のペースで冷やします。移動中や就寝中のアイシングは難しいので圧迫もしくは、挙上だけでも良いです。また、血液の循環が促進されてしまい、患部の内出血が助長されてしまうので、運動・お風呂・飲酒はしないようにしてください。
 アイシングは「氷水」が一番よいです。0度が一番よいのです。保冷材でも代用できますが、保冷材は冷たすぎるので、薄い濡れタオルなどを巻いて使用しましょう。