人類の歴史を見れば、私たちの祖先は毎日体と筋肉を使わなければ生きていけませんでした。狩猟や農耕がそうですね。しかし現代は体と筋肉を使うことがめっきり少なくなってきました。産業革命以降、生活が便利になる半面で、ますます体と筋肉を使う場面は少なくなってきているのです。ちゃぶ台からテーブルと椅子へ、和式トイレから洋式トイレへ、布団からベッドへと、生活様式も便利に快適になってきていますが、その分筋肉を使ったり、関節を深く曲げる動作が激減してきています。
使わなければ筋肉は衰えます。人間の体は使わないところに大事な栄養を与えることは、残念ながらしないようにできているのです。皆さん皮膚の張りやツヤは気にしますよね。特に女性の方はお肌のケアには気を遣われると思います。筋肉もお肌と同じように、年齢を重ねていくと水分量が少なくなり柔軟性が失われていきます。お肌は毎日目に触れるので気になりますが、筋肉は直接見ることがないので気にする方が少ないのですね。
そこでお勧めするのが「ストレッチ」です。猫なども体を伸ばしたりしますよね。犬もブルブルっと体を震わせて筋肉のバランスを整えます。「ストレッチ」は時間と場所を選びません。道具も、特別なウェアも、難しい技術も必要ありません。今あなたがいる場所で、他に何かをしている最中にも行うことが出来ます。テレビを見ながら、電話をしながら、料理をしながら、本を読みながら、駅で電車を待ちながら(???ちょっと勇気が要りますが・・・でも電車の中ではできますよ)などなど。
つまり「ストレッチ」は特別な技術を必要とすることなく、また、お金も道具も時間も場所も必要とせず、誰にでも簡単に、そして気軽に個人のリズムでできる筋肉への心地よい刺激とリラクゼーションの方法なのです。
○関節の動く範囲を広くして、体の柔軟性を向上させることで怪我や障害の予防になります。
○血液やリンパ液の流れを良くすることで、疲労の回復を早めて、本来備わっている自然治癒能力を向上させることができます。
○肉体的・精神的な緊張を解消できます。筋肉や腱はもちろん、脳への血流が促進されることにより、リラックスするとともに気分も爽快になります。
○若さを保つ秘訣は柔軟性のある筋肉を保つことです。筋肉に刺激を与えることで老化予防になります。
○ 自然な呼吸で行いましょう。息を止めたり歯を食いしばると、筋緊張が強くなり筋肉が伸びることができません。
○ リラックスして行いましょう。「はぁ〜気持ちいいな〜」という感じです。痛くしてはダメですよ。
○ 反動をつけずに行いましょう。「ゆっくり、じわ〜っと」伸ばすのが基本です。
○ 伸ばしている筋肉に意識を向けましょう。「あっ、ここが伸びている」と筋肉を特定しましょう。
○ お風呂の後など、体が温まった状態で行う方が筋肉は伸ばしやすいですよ。
○ 伸ばす時間は、20秒〜30秒で良いです。
○ 一度に色々なストレッチを行おうとすると、面倒くさくなってしまいますので、初めは1,2種類でかまいません。
○ ストレッチしている姿かたちよりも、筋肉が伸びていることが大事ですよ。
以上のことを守り、3週間続けてみましょう。以前よりも体の動く範囲の広がっていることが自覚できるはずですよ。
ケガをしない、痛みのない体作りをしましょう。